BAR Zolddichで密かに人気を得ている『魔性のお酒』アブサン。先月、その魅力や独特な飲み方を含めて少しご紹介しました。
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そして最近、また新たに9種類のアブサンが海外からやってきました!デザインはオシャレなものから怪しげなものまで…どれも日本では入手困難な個性派ぞろい。今回はその中から3つご紹介したいと思います。
※各ハーブや植物については、それぞれにWikipediaのリンクを貼ってあります。気になる方は参考までに。
①Fleur d’Absinthe~フルール・ド・アブサン
『アブサンの花』という名のとおり、可愛らしい花をつけた、ニガヨモギがボトルの中に入っています。液体は100%ハーブによる天然着色で、緑味がかった美しい黄金色。生産者は、家族経営の小さな会社、フランスにあるPaul Devoille(ポール・デヴォワール)蒸留所です。
ここで作られるアブサンの全ては、ベースにグレープスピリッツ(ブドウ由来のアルコール)を使っているので、香りがフルーティなのが特徴。使用ハーブはニガヨモギの他に、アニス、スターアニス、フェンネル、リコリス、コリアンダー、メリッサ、ヒソップなどなど本格的な風味を抽出するために各ハーブを別々に蒸留し、それらを配合して仕上げているという、こだわりのアブサン。特にフェンネルの甘みと苦味が、味をバランスよくまとめています。
②Absinthe Poison 55%~ポイズン(55%)
こちらはドイツのアブサン。調べてもなかなか手に入る情報量が少ないのですが、なんといっても特徴はこのスカルヘッドのボトル!ツヨン(=ニガヨモギに特に含まれる、中毒性があるといわれている成分)の濃度値も35ppmと高め(日本で手に入るアブサンのほとんどは10ppm以下)です。
しかし味わいは、アニスやリコリスが強調されていて甘く、苦味も少なく丸みがあります。アブサンファウンテンを使って水割り、角砂糖で甘みを足すと、さらに飲みやすいです。名前と見た目からはきつそうに思いますが、度数も55%とアブサンの中では低めなので、初心者向きの1本です。
③Absinthe Angelique 72 Verte -Fortissimo- No.2~アンジェリーク ―フォルティシモ―
アブサン発祥の地といわれる、スイスのトラヴェール渓谷『クヴェ村』で、天才蒸留家と称される、クロード・アラン=ブニョン氏が、小さな蒸留所で一人で作りあげた、愛情たっぷりの手作りアブサンです。使われている12種類のハーブは全て地元で収穫されるトラヴェール産。その中でも名前の由来の一つになっている薬草、アンジェリカ(西洋トウキ)の持つ甘み、苦味、香味が複雑なアロマをもたらし、ニガヨモギのビターな風味をより引き立たせています。
関連リンク(wikipedia):セイヨウトウキ
飲み方は、アブサンファウンテンを使って角砂糖を溶かし入れた水割りがおすすめです。ちなみに、日本で入手可能で当店にもある、ノーマルバージョンのアンジェリークもあるのですが、それよりも度数が高いため、より力強い味わいになっています。
アブサンはまだまだ語りつくせないほど奥が深く、虜にさせる不思議な魅力があります。あまり知られていなかったり、独特の味と退廃的なイメージから、親しまれづらいお酒ですが、たくさんの人が好きになってもらえたらな~と思います。
以上、バーゾルディックのアブサンソムリエ(?)になりつつある、小林がお送りしました。