いつもはお店のメニューの紹介がメインですが、今回は、私小林が個人的興味でやってみたことを綴った、気軽な内容でお送りします。
2021年の今年は、1月~6月までほとんどが営業自粛期間でした。その間に思いつきで戯れに自作してみた『スパイスト・ラム』について、せっかくなので書いてみます。
スパイスド・ラム自作のきっかけ
なぜ、スパイスド・ラムを作ろうと思ったかと言いますと、以前私が好きだったラムに「キャプテンモルガン・タトゥー」という銘柄がありました。通常のキャプテンモルガン・スパイストラムよりも、ちょっと薬っぽい独特の味わいが特徴。それでキューバ・リバー(ラムをコーラで割ってライムを絞り入れたカクテル)を作ると、ドクターペッパーのような感じで、とても美味しかったんです。
しかし、数年前にキャプテンモルガン・タトゥーは終売となってしまい、今は手に入らなくなってしまいました。どうしても、あのタトゥー・コークがもう一度味わいたい!と思い、何とか似たものが作れないか…ということで、前回の緊急事態宣言で営業自粛させて頂いていたステイホーム期間に、いろいろ調べて試しに作ってみることに。
キャプテンモルガン・タトゥー自体、使用スパイスやレシピを調べてみましたが、明確な情報が見つからず。。。せめてもの何か参考情報をと、ドクターペッパーについて調べてみました。
ドクターペッパーの使用材料は23種類!
ドクターペッパーは「チェリー風味の薬っぽい味」という印象ですが、調べてみるとはるかに想像を超える種類の材料が使われていることが分かりました。その数全部で23種類!
- チェリー
- 甘草 ※読みは「カンゾウ」。マメ科の多年草で薬用植物。
- アマレット ※あんずの種子の核=杏仁のこと。
- アーモンド
- バニラ
- ブラックベリー ※バラ科キイチゴ属の果実。桑の実みたいな感じ。
- アプリコット
- キャラメル
- 胡椒
- アニス ※セリ科の一年草。中国料理によく使われる八角(スターアニス)の仲間です。
- サルサパリラ ※サルトリイバラ科シオデ属。いまいち何だかよく分からないが、熱帯アメリカ原産の植物で、根は漢方薬として古くから使われてたよう。
- 生姜
- 糖蜜 ※ラムの原材料。サトウキビから砂糖を精製する際の副産物。
- レモン
- プラム
- オレンジ
- ナツメグ
- カルダモン ※ショウガ科の多年草の実。「スパイスの女王」といわれる。
- オールスパイス ※シナモン、ナツメグ、クローブ、3つの香りをあわせ持つと言われるフトモモ科植物の実。別名:ジャマイカペッパー。
- コリアンダー ※別名:パクチー、香菜(シャンツァイ)
- ジュニパーベリー ※ネズの実。ジンの原材料として有名。
- 樺の樹皮
- アメリカザンショウ ※ミカン科の落葉樹の実。別名:花椒(ホアジャオ)
これらを参考に、スパイスやフルーツ類をインフュージョンしてみたら、ドクターペッパーに近い風味のラムができるかも…ということで、材料をすぐ手に入る範囲でいろいろ用意してみました。ベースはバニラ香が強い『キャプテンモルガン・スパイスト』を使用。それも加味して材料を揃えました。※写真に写し忘れましたが、ブラックペッパーホールも使用。
本来ならば、チェリーの要素としてアメリカンチェリーなどドライフルーツにして使いたいところでしたが、時期的に売っていなかったため断念。コーラで割って作る際に、チェリーシロップを加えて風味を整えることにしました。
用意したスパイス&フルーツたちを、大きい実のものは多少砕いてから、ラムと一緒にガローネに投入。そのままラップをして、丸一日漬け込んでみました。ラップをはずすとすごくいい感じの香りが…!!これは期待できそう。
まずここで、軽く一度そのまま味見を。するとなんと…!香りはすごくいいんですが、なんか二日酔いのときに飲む、あの小瓶の某胃腸薬のような、スーッとする感じがやたら強い…。どうやら、カルダモンを入れすぎたようです。。。とりあえずスパイス類は取り除いて、ドライフルーツをちょっと追加してさらに3日浸漬してみましたが、やはり薬感が強い。
とは言え、実際にチェリーシロップを加えてコーラで割ってみたら、意外といい感じになったりするかも?ということで、今回はこれで一度シノワで濾してから、さらにコーヒーフィルターを使って、しっかり濾したら、試作1号の完成。果たして『キャプテンモルガン・タトゥーのコーラ割り』のように、ドクターペッパー的味わいになるのか…
氷を入れよく冷やしておいたタンブラーに、自作スパイスト・ラムを30ml。カットライムを絞り、モナン・チェリーシロップを10mlほど加えてよくステアしたら、氷に当てないようにコーラを注ぐ。最後にカットライムを入れて、いざ試飲!
う~ん…。これはこれで好きな味だけど、ドクターペッパーというよりもイエガーマイスターやフェルネット・ブランカのような感じに近い。。。やはり、かなり薬草色の強いものになってしまいました。
今回の試作第1号は、狙った味にはなりませんでしたが、次回試作では、さらにレシピをいじってリベンジに挑戦したいと思います。その際はまたブログでお届けする予定です。