こんにちは川口です。
今回のテーマは”映画とお酒”です。自分結構映画が好きなので、映画に登場したり又はイメージされた、お酒やカクテルを紹介したいと思います。
立川の映画館といえば、イタリアンのお店『マザーズオリエンタル 立川北口店 』が入るビルにある、立川シネマシティ(シティ・ワン)と、ジョナサン 立川北口店の隣にある立川シネマシティ(シネマ・ツー)などのシネコンがBAR Zolddichの近くにあります。
ご存じの方も多いかもしれませんが、立川は実は映画の街でした。昭和30~50年代まで立川駅近辺には、10以上の映画館があったとの事。地元の方には有名ですが、日活大通りもあります。では、”映画とお酒”少ないですが、いくつか紹介していきます。
カサブランカ
1942年公開の名作です、ヒロインのイングリット・バーグマンの代表作のひとつです。この作品に登場するのは前回紹介した「シャンパン・カクテル」と「フレンチ75」です。
「フレンチ75」はフランスの大砲が名前の由来で、第一次世界大戦でフランスの勝利を祈願して、考案されたと伝えてらえています。映画の舞台は第二次大戦下のフランス領カサブランカ。そんな時代に、主人公の店で女性がドイツ兵と共にオーダーするシーンがありますが、名前の由来を考えると皮肉ですね。
ゴッドファーザー
ご存じの方多いマフィア映画の金字塔。そんな映画をイメージしたカクテルが、その名も「ゴッドファーザー」です。ウイスキーとアマレットを使ったカクテルで甘さが心地よいです。
主人公はイタリア系アメリカ人なので、杏子の種子を使ったイタリアのリキュール、アマレットを使用します。アマレットは”愛のリキュール”と呼ばれ、家族愛がテーマのひとつであるこの映画にぴったりですね。
因みに、一度は聞いた事もあるでしょう、ゴッドファーザーのテーマの題名は”愛のテーマ”です。ウイスキーは色々な意見がありますが、スコッチを使うレシピがメジャーのようです。アメリカなのにスコッチ?と思いますが。禁酒法時代、マフィアは本場のスコッチをこぞって密輸したから、だと言われます。
因みに駄作と言われますが、自分はpart3が一番好きです…
ロンググッバイ
レイモンド・チャンドラーの小説、長いお別れの劇場版です。登場するのは「C・C ジンジャーエール」です。”C・C “とはカナディアン・クラブウイスキーです。でも有名な「ギムレット」ですね。主人公の「ギムレットにはまだ早い」という台詞が有名です。
よくギムレットには(年齢的)に早い(若い)、といったニュアンスで使われますが、本来はギムレットを飲むには(時間的)に早い、という意味です。非常に有名な台詞なのですが、残念ながら、映画版にはこの台詞は無いとの事。
以下は、小説に登場したもののもご紹介していきます。
007カジノ・ロワイヤル
言わずと知れた傑作スパイ映画シリーズです。シリーズ内でマティーニを飲むシーンがいくつかあります。しかし毎回同じオーダーと言う訳ではないのです。以前ボンド・マティーニと言えばウォッカマティーニをシェークで作ったものでした。
しかし、イアン・フレミングの原作小説第一作であるカジノ・ロワイヤル、そして2006年に公開された同名題の映画では、ジン、ウォッカそしてキナ・リレ(ベルモット現在名リレ・ブラン)を3:1:1/2でシェークし、レモンピール(レモンの皮)を添えてとオーダーします。このマティーニはボンドガールの名前から「ヴェスパー・マティーニ」と呼ばれます。
原作が刊行されたのは1953年(映画版の時代設定は現在)。英国のスパイであるジェームズ・ボンドが、ジン(英)ウォッカ(露)キナ・リレー(仏)を混ぜるという、東西冷戦下の時代を考えると、作者の皮肉が混じっているのかもしれませんね。
山猫の夏
冒険作家、船戸与一の最高傑作とも言われる作品です。自分も好きな作家なので紹介させて頂きます。
舞台はブラジルの片田舎、そこで”山猫(オセロット)”と呼ばれる男が主人公のバーで頼む一杯が「カイピリーニャ」です。「カイピリンガをもらおうか、砂糖は入れずレモンを多めに絞りこんで」とオーダーします。本来はレモンでは無く、ライムを使用します。名前もカイピリンガでは無くカイピリーニャが正しいです。
カイピリーニャはブラジルで主に作られるカシャーサ(ピンガとも呼ばれる、ラム酒の一種)に刻んだライムと砂糖を加えた一杯です。それをあえて砂糖を抜き、ライムを多めに絞るという、ハードボイルドな山猫らしいですね。これからの暑い季節にピッタリの一杯です。
風と共に去りぬ
アメリカ南北戦争時代を描いた傑作小説です。1937年にはピュリッツァー賞を受賞し、39年には映画化されました。南部アメリカの裕福な家庭の子女、スカーレット・オハラの波瀾万丈の人生を描いた作品です。
題名の”風”とは南北戦争の事。”去る”とは奴隷を使った大農園を主体とした南部貴族が没落していく事の意味合いです。奇しくも映画が公開された年は第二次大戦が開戦し、新しい戦争の時代に突入した時でした。
作品の主人公をイメージしたカクテルが「スカーレット・オハラ」です。作品の舞台である南部アメリカの代表的お酒、サザンカンフォードを使ったさっぱりとしたカクテルです。
スカーレットの名言として有名な台詞が「明日は明日の風が吹く」です。このカクテルを飲めば、そう感じれるもしれません。スカーレットを演じたビビアン・リー美人でしたね~
映画や小説を見て登場人物にあこがれながら、一杯を楽しむなんてのも良いですね。今回は映画や小説から紹介させて頂きましたが、もちろんまだまだ、沢山の映画があります。映画の主人公が飲んでいたお酒を、自分も飲んでみたい!という方は是非お試し下さい。
また、シネマシティで映画をご覧になった映画にまつわるお酒やカクテルをご紹介~シネマシティで映画を見た後はぜひ当店へ。ご来店お待ちしております。