【おすすめのラム3種】ラム酒に関する歴史・エピソードをご紹介

 

こんにちは川口です。今年も暑くなって来ましたね、これからどんどん暑くなっていくわけですが、気温が上がってくると飲みたくなるのが“ラム酒”ですよね。という訳で今回は“ラム酒”に関する歴史とエピソードついてです。

ラム酒は、サトウキビを原材料として製造されるお酒で、その歴史は17世紀のカリブ海地域に始まります。砂糖を精製する過程で出る、モラセスと呼ばれるサトウキビの搾りかすを発酵させ、蒸留、樽熟成したものと、サトウキビの搾り汁を直接発酵させたものがあります。

諸説ありますがバルバドスが起源とされ、飲んだ現地人が酔って騒ぐ様子を、デボンシャー地方の方言で興奮するという意味の「Rumbullion」と呼び、これを短縮し「Rum」になった、サトウキビの属名「Saccharum」の語尾からという説があります。

世界最古のラムブランド「マウント・ゲイ」

バルバドス島産のラム酒「マウント・ゲイ」世界最古のラム酒ブランドです。

そんなラム酒ですが、原材料のサトウキビはカリブ海原産では無く、栽培に適した環境だったのでヨーロッパ人が持ち込んだ物です。カリブ海はコロンブスの発見以降、スペインの勢力圏でした。さらに南米やアジアから来る、貴金属やスパイス等を積んだスペイン船の航路にもなっていました。そんな“富”を狙って集まったのが海賊です。

海賊といっても、本来のならず者の海賊と、国家から許可免許をうけて海賊行為をする“私掠船”がありました。当時スペインと対立していたイギリスは出遅れいて、そして海軍もまだ弱かったので、実質的な海軍として私掠船を使い、スペインの船や植民地を襲撃しました。著名な私掠船船長の一人が“サー・ヘンリー・モーガン”そう「キャプテン・モルガン」のラベルの人です。

スパイスド・ラムの代表格「キャプテンモルガン」

スパイスド・ラムの代表的な存在「キャプテン・モルガン」。海賊からジャマイカ副総督、ナイト爵にまでなった人物です。

しかし、次第に私掠船に頼っていたイギリスも海軍力を高め、海賊の時代は終わり、海軍の時代に変わって行きました。カリブの海賊と言えばラム酒ですが、何故ラム酒を飲んでいるかというと、生産地である事が一番ですが、当時の船では真水が貴重だったので、腐りづらいビールやワインそしてラム酒を飲んでいました。特にラム酒は壊血病の予防に効くとされていました(効果は無いがライム等を絞り入れていたので、一定の予防になったとされる)。海賊たちの酔っ払いのイメージはこんな事情がありました。

この事情は海軍でも同じで、イギリス海軍も酒を配給していました、元々はビール(日に約4リットル)だったのですが、カリブ海への進出に伴って、安価で日持ちするラム酒(日に284ml)に変わっていきました。当然酔います、更に数日分を貯め一気に飲む者もいました、当然問題となり、バーノン提督はラム酒を水割りにして支給しました、提督はグログラム生地のコートを着ていたため“オールド・グロッグ”と呼ばれ、このラム酒の水割りもある種の恨みを込めて“グロッグ”と呼ばれるようになりました。

「グロッグ」現在ではお湯割りを指す事が多いですが、元来は水割りです。1日約300㍉のラム酒を4倍に薄めてた水割りを支給してました。

とは言え、そんな水で薄めたラム酒でも、飲めば当然酔います、グロッグを飲み過ぎて酔った様を“groggy”と呼び、現代でも使われる“グロッキー”の語源となりました。グロッグの伝統は1970年まで続き、今でも特別な日には配給されるのだそうです。

イギリス海軍配給していたラム「パッサーズ」

1970年に終了する迄、イギリス海軍で支給されていたラム酒「パッサーズ」。当時アルコール度数を測る為に火薬(gunpowder)にラム酒を垂らし、青い火が付けば正真正銘(proof)のラム酒と認められたそう。

いかがだったでしょう、簡単ですがラム酒の歴史について書かせて頂きました、もっと沢山のエピソードがあるのですが、それはまたの機会に。今回初めててお酒の歴史とエピソードを書いてみました。ラム酒を飲まれる方も、飲まない方も御来店お待ちしております。

最後は海賊の唄で。

Drink up me hearties, yo ho!

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