アイラ好き必見!オクトモア15.シリーズのマスタークラスに参加~イベントの流れやテイスティングの感想など

 

こんばんは!亀井です!

2024年10月の話になりますが、ヘビーピートをこよなく愛する人へ向けた最高のセミナーである、OCTOMORE POP UPに参加しましたので、その内容を振り返ってご紹介します。

開催場所は品川の寺田倉庫です。24年10月の1部の日程で東京、大阪のみで開催していたイベントで、参加にはオクトモアのファンクラブである、「OCTOMANIA(オクトマニア)」に登録をして抽選を受けて…という流れになる為、事前にアンテナを張っておくことの大切さがよく分かりました。

関連リンク:OCTOMANIA(オクトマニア)

イベントの概要としては下記になります。

  • オクトモア15.シリーズの試飲
  • ブルックラディの歴史について
  • 過去作や限定シリーズの試飲

ブルックラディ蒸留所のヘッドディスティラーであるアダム・ハネットさんとブルックラディブランドアンバサダー(現SMWS代表取締役)である、ジャック・チェンバースさんのお2人による、ここでしか聞けない貴重なお話を聞くことができました。

左がジャックさん。右がアダムさんです。今回アダムさんはこのイベントの為に初来日されたそうです。
会場が近くなると全身黒ずくめのスタッフさんと凄くシンプルな案内板がありました。

会場に着いて受付を済ませると、やはり全員黒ずくめのスタッフさんが立っていました。オクトモアのボトルイメージなのでしょうか?着席すると目の前に大量のオクトモアと、新シリーズである15.1.、15.2、15.3が既に置かれており、イベント開始までおあずけ状態になっていました。

目の前に沢山の過去シリーズのボトルがあり、僕にとっては夢のような光景でした。

イベントが開始すると壇上にジャックさん、アダムさんのお2人が登壇し、まずはオクトモアの誕生したきっかけをお話してくださいました。

オクトモアは何故生まれたのか

オクトモアは2002年に製造が開始され、元々はピート香の強い原酒をノンピートの原酒とブレンドする為に作られていたものを突き詰め、どこまでよりスモーキーに美味しく出来るかを研究した結果生まれたとの事です。

オクトモアは1部の限定品という例外を除き全てを5年という短い熟成期間でリリースしており、尚且つ強烈なピート香のカスクストレングス(樽出ししてそのまま加水をしてない状態)での販売のため、理論上は尖りすぎた味になり、特別美味しくなるはずの無いとの厳しい意見を周りから言われてしまっていたそうですが、アダムさんは諦めず、使用する樽、麦をとことん研究し一切妥協のない仕上がりをめざしました。その結果100年以上使われた古い樽を使って10何年寝かせるより、最高級品のプレミアムな樽を使って5年で作るという製法にたどり着きました。

ブルックラディ蒸留所の歴史

1881年に蒸留所が稼働し始めましたが、1980〜90年に「ウイスキー冬の時代」と呼ばれる時期に業績がふるわず、1994年に一度閉鎖してしまいます。しかし2001年に元ボウモア蒸留所長でもあったジムマッキュアンさんを招聘し、蒸留所としての機能を再開させます。彼は東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)で3度も入賞をしたアイラの伝説の男と呼ばれています。

同年にフェノール値80ppmの原酒をノンピートと合わせ40ppmに抑えながらバランス調整をし、新生ブルックラディとして初のウイスキー、ポートシャーロットをリリースし、再度その名を世界に広めました。そしてついに2002年、オクトモアシリーズの作成に取り掛かり、2008年に初のオクトモア8.シリーズがリリースとなりました。どこまでピート香を上げれるかの研究をメインとし、通常の度数(40〜50程度)では出せないテイストを目指したこのシリーズは現在に至るまで大人気となっております。

オクトモア15.シリーズについて

オクトモアのナンバリングには意味があり、それぞれ違ったコンセプトで作られています。

  • O.1 バーボン樽のみ
  • O.2 ワインやコニャック樽を必ず使用
  • O.3 オクトモア農場で作られた大麦だけを使用している(樽の種類は様々)
  • O.4 蒸留酒限定品でファーストフィルの様々な樽

となっており、基本的に国内で販売があるのは、1〜3であり、ごく稀に4シリーズもオンライン限定で販売されているようです。特に3シリーズは農場が海沿いにあるということもあり、気候が安定しない為、毎年変化の激しい一期一会の味わいになります。

15.シリーズのテイスティング

お2人の解説が終わるとお待ちかねの試飲タイムです。一斉に会場の参加者およそ70名が蓋を外した瞬間、部屋の空気が明らかに変わりました。最高の香りが一帯に広がります。ヘビーピート好きの方なら、一番の注目ボトルとしてはフェノール値が歴代2位となる、脅威の307ppmを記録した15.3となるかと思われます(1位は8.3の308ppmです)。

他のオクトモアシリーズも、1と2シリーズは平均100ppm前後ですが、国内でスモーキーと言われる白州NVが約5ppm、アイラの女王と呼ばれるボウモア12年が25ppmなのでその差は歴然です。ただ勘違いしやすいのが「フェノール値」=「ウイスキーのスモーキーさ」という訳ではなく、原材料の麦についた香りの数値が図られています。

つまり1つの基準としてスモーキー度合いは測れますが、どちらかと言えば使用しているピート(泥炭)によって変わる為、数字が低いからスモーキーでは無い…ということでもないです。ただこの数字が高い極端に高い場合はウイスキーにも大きく影響してきます。詳しい解説は以前ご紹介した14.2の記事をご覧ください。

関連記事:当店1番のスモーキーなウイスキー「オクトモア14.2 ヨーロピアンカスク」のご紹介

いよいよ15.シリーズのテイスティング開始!

15.1

15.1はバーボン樽、リチャールしたエクスバーボン樽(もう一度焼き直したバーボン樽)を使っており、フェノール値は108ppm。香りはかなりバーボン香が強く、バニラのようなかなり甘い印象を受けます。口の中で転がすとドライオレンジのような香りの後クレームブリュレみたいに少し焦がした砂糖のような濃厚な甘みが広がります。そしてこれは今までのオクトモアシリーズに言えることではありますが、かなりオイリーかつ余韻が長いです。個人的にはこの15.1が1番お気に入りでした。

15.2

15.2はセカンドフィルワイン樽、セカンドフィル バーボン樽で熟成後、2023年にファーストフィルコニャック樽にてフィニッシュしており、フェノール値は15.1と同じく108ppmです。15.1とは違うフルーティな甘さ、その後にナツメグやシナモンのようなスパイス系の香りがほのかに広がり後半に重めのスモーキーな香りが心地よく広がります。100ppm超えのオクトモアでコニャック樽を使った事は今回初の試みであり、アダムさんは今回ののシリーズの中では1番のお気に入りと話されていました。ちなみにコニャック樽は40年以上の物を使用するのがアダムさんの拘りとの事。

15.3

脅威の300ppm超えな15.3バーボン樽、オロロソシェリー樽を使用しており想像よりかなり優しい印象を受けます。鼻から抜ける香りは甘めなオレンジを感じますがその後に来る強烈なスモーキーさはスモークナッツやビターチョコのような風味となります。加水を加えるとさらにチョコの風味…と言うよりはカカオニブのような少し苦味のあるような香りが鼻腔に広がります。

過去シリーズの試飲

入場受付の際にチケットを3枚貰えます。これを使うと、過去シリーズ(12.〜15.)の1と2や、3 or 蒸留所限定ボトルの試飲を行えます。

各シリーズ1杯づつシングルで貰え、限定品はハーフショットとなります。

蒸留所限定シリーズとしてはこの3つになります。

  • オクトモア14.4 コロンビアオーク
  • オクトモア10年
  • オクトモア シングルカスク

今回僕は14.4を頂いたのですが、こちらもかなり珍しい1品で、コロンビアのヴァージンオーク(未使用の樽)で熟成させた物となります。パッションフルーツのようなトロピカルフルーツのテイストとスモーキーな香りが絶妙なバランスでマッチしてます。これはコロンビア樽の特徴が強く出ていて、フルーティーさが全面に出るとの事で現地ではコーヒーやラム酒を製造、貯蔵する際に使われています。現在はブルックラディのオンラインサイトから個人輸入をするか現地で購入する2つの方法のみとの事です。

オクトモア10年はまだ世界未発売で、アイラ島のみで発売予定との事ではありますがまだ確定でもなく、今回のイベントが初のお披露目との事。オクトモア・シングルカスクはシラーワインの樽で熟成しており、販売はまだしておらず、世界に9本しか出回っていません。3本はブルックラディフェスという現地のイベントでお披露目されました。

イベントの最後に記念撮影

最後は参加者全員で試飲をしながらジャックさん、アダムさんとお話をしたり写真撮影、マイボトルにサインをしてもらう等の和気藹々とした雰囲気で、僕もジャックさんと写真を撮らせて頂きました。

ジャックさんはとても気さくな方で、ブログへの画像掲載も快く承諾して頂けました。

ジャックさんは今回のイベントを最後にアンバサダーを引退し、現在はSMWS(スコッチモルトウイスキーソサエティ)という世界的な会員制のボトラーズウイスキークラブの代表取締役社長となっています。1983年にエジンバラで設立され、リリースされるボトルの特徴として蒸留所の名前が非公開かつボトルの形状やデザインを統一化しており、ノンチルフィルター、ノンカラーリング、カスクストレングスしか出していません。ジャックさん曰く、いつかはオクトモアを使ってSMWSのボトルを出したいと話されていたので、いつか実現する日が来るかもしれませんね。

関連リンク:SMWSの公式サイト

Bar Zolddichにあるオクトモア

昨年の暮れに14.2の最後の1ショットが無くなり、15.1が新しく入荷致しました。開栓したての15.1はかなりバーボン香が強かったのですが、少し時間が空いたら柔らかい香りになってきました。

ヘビーピート好きにはたまらない1本となってます。

現在立川のBARにオクトモア15.シリーズを置いている店舗は2つありました(25年2月亀井調べ)が、15.1は恐らく当店のみで、奇跡的に他の店舗様も15.2.と15.3の被り無しでした。数量限定品となっておりますので是非この機会にご賞味くださいませ。

042-527-1616