こんばんは!製菓担当という枠にすっかり落ち着いてきた亀井です。
春も終わりに近づき徐々に暑くなってきた今日この頃ですが、そんな少し汗ばんでしまうような日でもさっぱりと食べられる季節のデザートをご紹介致します。
今回は4~5月に旬となる柑橘フルーツ「デコポン」を丸ごと絞ってソースに使用し、冷製のクレープ・シュゼットに仕上げました。クレープは日本でもすっかりおなじみのデザートですが、「クレープ・シュゼット」についてはご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんので、少しご説明します。
クレープの歴史
クレープと言えばすっかり日本でも馴染み深いデザートですが、元はフランスのブルターニュ地方の地元料理でした。モンサンミッシェル等が有名な観光名所です。
紀元前7000年頃に、小麦粉ではなく蕎麦粉を使用して作っていた「ガレット」が長い時を経て、13世紀初頭にブルターニュ地方へと伝わり、そこで小麦粉を主原料とした「クレープ」になったと言われています。そしてそのクレープから派生して生まれたデザート「クレープ・シュゼット」は、小麦粉の生地のクレープを、バターとオレンジの果汁で煮て、グランマルニエ(オレンジリキュール)でフランベした温かいデザートになります。
クレープ・シュゼットの誕生
後にイギリスの国王となるエドワード7世が皇太子時代の19世紀に、モナコのモンテカルロにあるカフェを訪れた際、料理人のアンリ・シャルパンティエさんが、お連れのフランス出身女性のためにクレープを作り、フランスで作られているブランデー(コニャック)を加えてフランベしました。
青い炎のデザートに感動したエドワード皇太子は、「この料理は何という名前ですか?」と訪ね、シャルパンティエさんが「殿下のために作ったクレープです」と答えると、エドワード皇太子はお連れの女性の名前から、「”シュゼット”と名付けてはどうか?」と提案したことから始まったという説が有力です。
デコポンの冷製クレープ・シュゼットの作成
それではまずはクレープ生地から作っていきます。
クレープのレシピ(4~5食分)
- 薄力粉 50g
- 牛乳 125g
- 上白糖 15g
- 全卵 1個
- 有塩バター 8g
全ての材料を混ぜたら、温めたテフロンパンにバターを入れ、レードル1杯分(70mm)を中火で焼きます。表面が乾くまで焼いたら火から外し、生地をバットに入れて粗熱を取ったら完成です。
デコポンソースのレシピ
本来はクレープシュゼットは温かいデザートですが、今回はフレッシュなデコポンの味や香りを活かすために冷製でご提供するため、バターやリキュールを使わないアレンジを加えさせていただいております。また、冷製だとバターの油脂が固まってしまったり、アルコールが飛びきらないといった問題が起こるためでもあります。
- 上白糖 20g
- デコポン果汁 150mm(12玉サイズのデコポン1つ分)
- レモン果汁 5mm(デコポンの甘さによって調整)
まずはデコポン丸ごと1個をスロージューサーに入れ、デコポンジュースを作ります。この時にデコポンの甘さによってレモン果汁を調整します。
材料を全てフライパンに入れたら強火で沸騰させ、アクを取ったら粗熱を取れば完成です。この時煮立たせ過ぎると風味が飛んでしまう為、沸いた瞬間に火を止めて手早くアクを取り除きましょう。また、今回はソースにコクを出すために、グラニュー糖ではなく上白糖を使っているのもポイントです。
仕上げ
クレープ生地を半分に斬り、皿に盛り付けたらデコポンのソースを30mmかけて、バニラアイス、ミント、デコポンの果肉を盛り付け、最後にデコポンのピールを全体に振って香りをつけたら完成です。
爽やかなデコポンの香り、フレッシュな味わいを存分に感じつつ、クレープのもちもち食感、バニラアイスのまろやかな甘み、いろいろな美味しさがつまった一皿となっております。
ドリンクとのペアリングですが、白ワインベースのカクテルやスパークリングワインは柑橘との相性が良いですね。また、現在季節限定でお出ししている挽きたて抹茶のカクテルも、和×洋の組み合わせが意外と美味しいのでペアリングにおすすめです。
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