BARに行ってみたいけど
「カクテルの名前とか知らないから不安…」
「カッコよくオーダーしたい」
という方は多いと思います。
前もって知っておける情報があると、少しでも安心して行きやすくなるものですよね。そんな方のためにバーならではの定番カクテルの豆知識を少し紹介してみようと思います。
まず、そもそもカクテルは大きく「ショートカクテル」と「ロングカクテル」の2つに分類されます。ショート・ロングとはグラスの大きさ(長さ)と思われがちですが、実はショート“タイム”、ロング“タイム”、つまり時間を指しています。
では実際どういう違いなのか…
ショートカクテル=冷やして作られるがグラスには氷が入ってない→冷えてて美味しいうちに短時間で飲み干すのがベター。
ロングカクテル=グラスの形に関わらず氷が入っている→氷が入っていることで冷えが保たれるので、時間をかけて飲んでOK。
と思ってもらえるとわかりやすいです。
特にショートカクテルは、映画やドラマのワンシーンなどで目にしたことがあると思います。(よく逆三角形のグラスで出されるオシャレなアレです。)好きな主人公や登場人物に憧れ「BARに行ったら一度は飲んでみたい!」という方は多いのではないでしょうか。
ということで今回は知っておいて損はない有名なショートカクテルを、ちょこっとウンチクも交えて3つほどご紹介します。
【 マティーニ (ドライマティーニ ) 】
通称「カクテルの王様」。ジンとドライベルモットを合わせた「ドライマティーニ」を指すことが多い。(※ベルモットとは、白ワインをベースにハーブやスパイスを加えて作られる果実酒の一つ。)シェイカーは使わず、ステアという技法(氷で材料を冷やしながら、バースプーンで混ぜ合わせる)で作られる。
「007」シリーズで主人公ジェームズ=ボンドが愛飲していることでも有名。ただし名台詞にもなっているように「Vodka Martini. Shaken, not stirred.“ウォッカマティーニを。ステアせずにシェイクしてくれ”」とボンドはジンではなくウォッカで、ステアでなくシェイクで。と指定してオーダーしているため、一般的なマティーニと異なり通称「ボンドマティーニ」と言われる。(もちろんこちらもお作りできます。)
マティーニの名の由来は諸説あるが、“マルティーニ”という名のバーテンダーが考案したとされる説や、原型となったカクテルに使われたのが「マルティーニ・エ・ロッシ社」(イタリア)製のベルモットだったからという説が有力。
【 マンハッタン 】
マティーニに劣らず著名なカクテルで「カクテルの女王」と呼ばれる。赤褐色のカクテルに、真っ赤なチェリーが沈められた美しい色合いは、マンハッタンに夕陽が落ちる情景をイメージして作られたとか。ライ・ウイスキーとスイートベルモットに、アンゴスチュラビターズ(リンドウやハーブ、スパイスの苦味酒)をアクセントに加えた、甘くてほろ苦い味わい。1950年代マリリン・モンロー主演の映画「お熱いのがお好き」にも登場、女性的な雰囲気を持つカクテルだがウィスキーベースということもあり男性にも人気のカクテル。
【 X・Y・Z エックス・ワイ・ジー 】
“XYZ”はアルファベットの最後。つまり“あとがない”ことから「これ以上ない究極のカクテル」「締めの1杯にふさわしい」と言った意味合いを持つとされている。その由来から数々の作品に使われ、なかでも漫画「シティーハンター」が有名。始末屋である主人公に仕事を依頼する際、依頼人が駅の伝言板に書く暗号として使われたのが“XYZ”(あとがない=「助けて」の意味)で、このカクテルから来ている。レシピはラムをベースに、コアントロー(オレンジの果皮のリキュール)、レモンジュースとシンプルで、さっぱりとした味で男女ともに人気。
今回は3つ紹介しましたが、他にもまだまだたくさんのカクテルがあります。それぞれのカクテルにまつわる話をバーテンダーに聞いたり仲間に話したりしながら、BARでのひとときを楽しんでみるのはいかがでしょうか。
以上、マティーニが好きな小林がお送りしました。