お疲れ様です。雨宮(Zol)です。皆さんブラッディシーザーというカクテルをご存知でしょうか?ブラッディメアリーなら知っているけど、、、という方が多いんじゃないかと思います。
ブラッディシーザーとは?
簡単に言うとウォッカとトマトジュースで作るカクテルがブラッディメアリー。トマトジュースをクラマトに変えるとブラッディシーザー。じゃあクラマトって何?ってなるとハマグリエキスを加えたトマトジュースになる。
過去に何種類かクラマトを飲んだ時に、『どうも塩っぱいなぁ』と思ったのと、
そこまでオーダーが来ない。
腐るのが早い。
値段が高い、、、
なんだかネガティブなイメージしかなくて、今までBAR Zolddichでは『すいません。うちではクラマトを置いてないのでブラッディシーザーはお作りできないんですよぉ』とお断りをしていた。時を経て、その幾つかの問題を解消できればうちでも出せるんじゃないかと思い始めた。やるべきことは、
腐る前に売り切る。
お高くてもその分美味しい。
オリジナリティ。
ハマグリと食塩無添加トマトジュースで美味しいクラマトづくり
まずは美味しいクラマト作りから始めてみよう。市販のクラマトは塩分が多いと感じていたので使用するトマトジュースは食塩無添加をチョイス。
魚介類を買うのに信用のおけるのが魚力。(立川ルミネの地下1F)ここでハマグリを大量ゲット。砂抜きしてからエキスを抽出するのに水から火にかけて、アクを取りながらしばらく茹でる。身が縮んできたら一度ハマグリを取り出して茹で汁を煮詰めていく。
ハマグリは良いような悪いようななんとも言えない香り。スタッフからは『磯丸水産の匂いがする』と言われたのでガンガン香りと水分を飛ばしていくことに決める。
せっかくの手作りなのでトマトジュースに香味野菜を追加。ニンジン、玉ねぎ、セロリ、ニンニクを一緒に鍋に入れて火にかけて野菜の旨味と香りを移す。ハマグリジュースを加えることによってトマト感が薄まる予感がしたので野菜と共に軽く煮詰める。
ここに香りと水分を飛ばした濃厚なハマグリエキスを合わせて自家製のクラマトの完成だ。
さあ、これで美味しいブラッディシーザーが果たして出来るのか・・・とりあえずクラマトが完成したので味を見てみることに。
旨味が足りないためハマグリの量を3倍に
「あれっ?なんだかハマグリを感じない・・・」使用したトマトジュースが3リットルに対して、ハマグリが約700グラム。(ほとんど貝殻の重さだと思われるが。)ハマグリの量が足りなかったのか、ハマグリの香りを飛ばし過ぎたのがいけなかったのか。そうは言っても生臭いのは嫌だなぁと思うので思い切ってハマグリを3倍にすることに(約2キロ)。
なるほど、だからクラマトは高いんだ。前回と同じようにハマグリを水から火にかけてしっかり出汁を抜き取る。大量のハマグリの出がらしをどうしようかと考えていたところ、川口が嬉しそうに食べていた。自分も食べてみたところまだまだ旨味が残っている。そりゃそうだ。本来ならば出汁より『身』がメインだ。
燻製したハマグリをさらに加えて美味しいクラマトに
とはいえ、このハマグリの剝き身を、ただの賄いにしてしまうのはもったいないので、3分の1は燻製にしてから、もう1度トマトジュースへ戻して再び火にかけることに。残りの3分の2は、ディハイドレーターでカリカリに乾燥させて、殻付きはガーニッシュに。剝き身はウォッカに漬け込んで、旨味を徹底的に抜き取ることにした。
流石にトータル2キロのハマグリのエキスを加えたことと、燻製したハマグリを加えたことによってようやく満足のいく美味しいクラマトが出来上がった。最後に塩胡椒で微調整。
ペルツォフカとドライクラムインフュージョンウォッカを使用
それでは、ブラッディシーザーに仕上げていこう。使用するウォッカはペルツォフカ(唐辛子ウォッカ)とドライクラムインフュージョンウォッカ。 お客様の辛さの好みを聞くのは前提だが、おすすめは唐辛子とクラムが1対2。
ブラックペッパーをハーフリムしたグラスに氷を入れて、ウォッカ45ml。燻製塩を軽く挽いて、レモンジュースを5ml。仕込んでおいたクラマトをアップしてバースプーンで混ぜる。ガーニッシュにバジルとドライクラムを浮かべて完成。
市販品を使うのに比べて野菜の自然な甘み。贅沢なハマグリの旨味。ほのかな燻香。自分で悩みながら踏んできた行程が、しっかり味に出ている。
ホームメイドブラッディシーザーをどうぞお試しください。