もう今年も3月に入りましたね。まだまだ寒いですが、だんだんと春の気配を感じる時期になってきました。そんな季節にぴったりの「春の息吹を感じる」オリジナルカクテルを紹介しようと思います。
ということで今回は、もうすぐ迎える日本の春の伝統的行事の一つ『雛祭り』。3月3日生まれの小林がブログをお届けします。
「雛祭りが誕生日?!キャラに合ってない!」
などのツッコミは、いったん心にしまって読んで下さい(笑)
さて、その「春を感じるカクテル」についてですが、やはり「春」と聞くと、たいていの方が桜の花や若草が芽吹くイメージを想い浮かべるのではないでしょうか。今回紹介するカクテルは、そんな日本の春の情景を感じてもらいたい、是非飲んでいただきたい、おすすめの一品です。
そのカクテルの名は…『Botanicals Bless ボタニカル ブレス(植物たちの恩恵)』
ボタニカルは植物、ブレスは祝福・恩恵を意味します。ブレスはスペルをBreathにすると息吹き・芽吹くの意味にもなるので、春をイメージするカクテルにふさわしいと思い、このネーミングにしました。 実はこのカクテル、私が去年初出場した大会「WORLD CLASS」に出品したオリジナルカクテルなんです。
ちなみに「WORLD CLASS」は、世界有数の酒類メーカー「ディアジオ社」主催で行われる世界規模の大会で、年に1度、参加国の代表となるバーテンダーが世界一を目指してしのぎを削ります。
関連サイト:WORLD CLASS JAPAN
一昨年(2015年)には、我がBAR Zolddichオーナーバーテンダーの雨宮が日本大会決勝に進出し、日本のTOP10ファイナリストとなった大会でもあります。
「バーテンダーに必要なすべてが問われる」とされるその大会では、ディアジオ社の誇る数々のスピリッツを軸に、様々な条件下でオリジナリティのあるカクテルを創作するチャレンジがあるのですが…
その中で、自分の名刺代わりになるようなカクテル=Signature Cocktail(シグネチャーカクテル)を創作するチャレンジがありました。そこで、冒頭にも出しましたが…雛祭り生まれの女バーテンダーである私は、何とかそれをカクテルに活かして表現したいと思い、雛祭りの代表な行事食である「菱餅」にちなんだ、春のカクテルを作ろうと思ったのです。
菱餅の「桃色・白・緑」をイメージした春の創作カクテル
菱餅というとまず一般的に浮かぶのは「桃色、白、緑」の三層。
「雪(=白)の下には蓬(=緑)が芽吹き、その上では桃の花(=桃色)が咲いている」という、四季の移り変わる日本ならではの、3月の春の情景を表しています。そして本来の菱餅の場合、下記食材を使い、色の表現だけでなく、それぞれの植物が持つ薬能を得て、1年の健康や幸福を願おうと考えました。
- 桃色→クチナシの実
- 白→菱の実
- 緑→よもぎ
※雛祭りや菱餅自体のルーツを辿るとかなり話が長くなるので割愛します。
それに習い、カクテル向きじゃないものは加味しつつ、植物由来のものを3色入れることでカクテルにしました。使う材料は下記を選定しました。
- タンカレーナンバーテン
- 桜餡(=桃色)
- 豆乳(=白)
- 乾燥よもぎ粉末(=緑)
ベースに使ったタンカレーナンバーテンも、旬な手摘みのフルーツやハーブを用いて作られた、まさに植物の恩恵が存分に詰まったジンです。細かくいうと、その中で使われているカモミールはよもぎと同じキク科のハーブ。そんな共通点もあり、「このカクテルのベースはこれしかない!」と合わせたところ、美味しくまとまり完成に至ったのでした。
タンカレーナンバーテンの持つフルーティかつ洗練されたハーバルな香りに、和の優しい味わいを融合させたこの季節限定のおすすめカクテルを、是非お試し下さいませ。