こんばんは!亀井です。すっかり気温も下がり、秋らしい旬の味覚たちが豊富な季節ですね。今回はその秋の食材である「さつまいも」を使った新作スイーツをご紹介致します。
今回ご紹介するのは「焼き芋の燻製モンブランアイス」です。モンブランと言えば、栗を基本的に想像されると思いますが、語源としてはフランスとイタリアの国境にそびえ立つ山の「モン・ブラン」から来ております。フランス語で山を意味する「Montagne」、白を意味する「Blanc」を合わせた名前です。
要は形が山のようになっており、粉糖で雪を表現していれば材料は何を使っていても上記を満たせばモンブランと名乗ることができます。ちなみにフランス語でモンブランは「Mont Blanc aux marrons」(栗のモンブラン)という風になります。
世界で初めてモンブランを売った店
今回モンブランを作るにあたって参考にした物は、フランスに本店を持つ「アンジェリーナ」というカフェです。この店は世界で最初にモンブランを販売した店として有名です。
僕が学生時代、フランスへ研修に行った際にそこに行き元祖モンブランを食べてきたのですが、結構大きいです。日本の2倍ほどのサイズ感でした。底生地にメレンゲを使い、日本で見るモンブランとは少し違うテイストでした。
今回はアンジェリーナのモンブランを参考に、底生地はメレンゲにしつつ、甘さをなるべく抑えて素材の味を前面に引き出していこうと思います。
モンブランクリームの作成
材料(10食分)
- 焼き芋 約700g
- 生クリーム35% 400g
- 牛乳 150〜200g
- グラニュー糖(メレンゲシロップ用65g、メレンゲ下地用10g)
- 卵白 2つ分
- 水 25g
- さつまいも(飾り用)1本
- バニラアイス 約40g
まずは焼き芋の皮を剥き、霧吹きをしてラップを巻き600wで2分チンします。そうすると甘みが一気に増して焼きたての状態と遜色無くなる為、自宅で焼き芋を温める際は是非お試しください。
温めた焼き芋を裏ごしし、焼き芋の繊維を取り除きます。そうする事でモンブランがより滑らかな口当たりになります。
焼き芋ペーストに生クリームを入れ、フライパンで暖めながら牛乳を入れながら濃度を調節します。
本来ならこの時、砂糖を入れるのですが、焼き芋の甘味だけで勝負する為に今回はモンブランクリームに砂糖は一切使っておりません。
底生地(焼きメレンゲ)の作成
基本的なモンブランの場合、底に敷く生地はスポンジケーキが多いですが、今回はアンジェリーナのモンブランと同様に焼きメレンゲを使います。
メレンゲといえば砂糖を卵白に少しづつ足して混ぜるフレンチメレンゲが一般的ですが、今回使用するのは少し違う作り方をする「イタリアンメレンゲ」です。イタリアンメレンゲはマカロンやバタークリームに使われたり、時にはタルトの上に乗せて焼かれたりします。
作り方は卵白とグラニュー糖をしっかり泡立てた状態のところに、水とグラニュー糖1:3で作ったシロップを117℃になるまで熱し、少しづつメレンゲに垂らしながらハンドミキサーでツノが立つまで混ぜたら完成です。
完成したメレンゲを丸く絞り、120℃に余熱したオーブンに入れて90〜120分の間しっかり焼きます。今回は底生地に使うため少し強めに焼き、香ばしさとカラメルの苦味を出しています。焼けたらオーブンから取り出し、乾燥させて粗熱が取れたら完成です。
トッピング用のサツマイモチップス
次にトッピングの為さつまいもチップスを作っていきます。さつまいもを2mm程にスライスしたら冷水に10分漬けてアク抜きをし、小さじ1程塩を入れたお湯で2分茹でます。その後食品乾燥機に入れて3時間ほど乾かします。乾燥し終わったら180℃の油で2分程揚げ、パリッとした食感に仕上げます。
盛り付け
先程作ったイタリアンメレンゲの上にバニラアイスをのせて、その上からモンブランクリームを絞ります。中段は通常スポンジケーキなど使用されることが多いですが、お酒との相性も良いバニラアイスを選びました。モンブランクリームにバニラの香りが移ることでさらに美味しい味わいとなります。
最後にスモーキングガンとガラスドームを使って瞬間燻製して香りづけをします。今回はメープルのチップを使用して焼きいもの香ばしさ、甘さを引き出しました。ほんのり香る薫香と、優しい甘さのモンブランクリーム、後味に残るカラメル風味とバニラの香りは至極です。
見た目ボリューム感ありますが、甘さ控えめのモンブランクリームに冷たいバニラアイス、そこにパリッとしたさつまいもチップスやメレンゲ生地のさくさく食感が加わって、食べてて飽きのこない一品となっておりますので、一人飲みのお客様にもおすすめです。
秋のゾルディックでしか味わえないこのスモークされたモンブラン、是非1度ご賞味くださいませ。