オリジナルウッドスモーカーの製作と燻製のきっかけ

 
燻製料理をはじめて作ったのが今から7年くらい前。 当時勤めていた立川南口のダイニングバーのおすすめメニューで、ビーフジャーキーを手作りしようとしたのがきっかけだった。作り方をネットで調べていくうちに塩漬けして乾燥させて、「燻製する」とでている。 幸い以前のおすすめメニューで燻製をやっていたことがあったらしく、お店には小さなスモーカーが倉庫にしまってあったので、載っていたレシピ通りにやってみた。そして出来上がったものを食べて感じたのは、今までに味わったことのないスモーキーで大人のビーフジャーキー。初めて作ったわりにお客様からの評判が良かったのもあって、それからはウイスキーや赤ワイン、ビールなどに合いそうなものをドンドン燻していったり、先輩バーテンダーであるBAR T-brickのオーナー(当時port bar)の菱山さんのお店に行って勉強で色々食べさせて貰った。

当時作った手作りビーフジャーキー柚子胡椒味とアードベッグ ブラスダ

立川屋台村パラダイスに独立してからはカクテルの創作よりも燻製にのめり込むことが多く、スモーカーも様々なタイプの物を購入して試していった。 新宿、町田、吉祥寺など東京にある燻製料理専門店の食べ歩きもした。 そんな中あるテレビ番組(マツコの知らない世界)で八王子燻製研究会という存在を知ることとなる。 立川から近い場所ということもあり、月に一度会員が集まって燻製を研究しているとのことなので、2016年6月に見学をさせて頂くことになった。そこで初めて経験したのが ⚫︎独自に設計された木製のスモーカー ⚫︎手作りによる山桜のスモークチップ ⚫︎炭火による温度調整   など自分がまだ未開拓の領域で燻製を行っていた。 会長である桒田さんは燻製歴30年のベテランで燻製に対する認識、理論、知識がものすごくて、燻製の仕上がりも素晴らしいものだった。 自分もすぐに追い付きたいと思いオリジナルウッドスモーカーの設計に着手。 使う熱源を電熱器に絞り内容量と使用する網のサイズ、冷燻に対応できる高さなどを考慮していくと会長が使用していたスモーカーよりもサイズが大きくなってしまった。 電熱器のワット数が足りるのかという不安を抱えつつ制作を開始。 梅雨の時期の屋外での作業ということと、開店前の限られた時間だったこともあって制作期間は2週間もかかってしまったが、初めて自分で電ノコ、サンダー、ドリルドライバーなどDIYで作り上げたスモーカーは自分の誇れるものになった。 そして今では新店舗の入り口にドッシリと設置して立川伊勢丹裏通り、人気の少なくなった深夜帯にモクモクと煙を炊いている。 立川北口付近に燻香が漂っていたら、うちが何かを確実に仕込んでいる。 燻製と洋酒の相性は実に良い。 そのマリアージュを是非楽しんで頂きたい。

店の前に置かれた自作のウッドスモーカー

042-527-1616