この度弊社としては二店舗目を立川駅南口に出す運びとなった。
一昨年BAR Zolddichを移転した時に決めていた『来年もう一店舗出す。』というのが、少し遅れながらも形にすることが出来た。飲食の業態は決め込まないで、良い物件に縁があったらその場所に適した業態の飲食店を出すというスタンスで、去年一年の間はずっと物件を探している状態だった。
そして去年の年末にBARのお客様から頂いた情報をもとに物件を紹介して頂き、今年の4月に無事契約に至った。この場所は以前から通るたびに『ここら辺の物件どこか空かないかなぁ、、、』と思っていたところだったので自分としては奇跡のような出会いだった。
立川駅南口。場外馬券場や風俗店がひしめき合う繁華街の路面角地。ここは土日は競馬を楽しみながら、昼間からお酒を飲む人が多いエリアだ。
そう、このエリアに出店する飲食の業態は大衆酒場だ。
北口で営業しているBAR Zolddichとは180度違う飲食の業態かもしれない。看板メニューは煮込みで専門店を謳っている。多くの方は『煮込み』というと、『もつ煮込み』をイメージするのかもしれない。しかし広い意味でいう『煮込み』とはもつ煮込みだけではなく、牛すじ煮込みもそうだし、おでん、トリッパ、カレー、タンシチュー、、、、
コンフィやアヒージョも煮込みと言えるのではないだろうか。定番のもつ煮込みをしっかりと抑えつつ、他では食べられないような煮込みを用意している。
しかしなぜ煮込み専門店にしたのか。
それは純粋にもつ煮が好きだというのもある。居酒屋の席に着くのと同時に『生と煮込み。』とコール。すると生ビールともつ煮が同時に出てくるスピード感。お通しの無いお店で常に鍋に火のかかっているお店であれば最速の部類に入るメニューだ。忙しくて時間が無い時でも、手間暇をかけて作られた温かい料理を素早く出してくれるというのはとても嬉しいことだ。
すぐに出る。煮込みはそれが良いのだ。
そしてホルモンというのは豚、牛、鳥の各部位にもよるが原価の抑制につながる。安くて、早くて、うまい。といった大衆酒場の条件を満たすのにとても優れた食材だ。仕込み、手順、味付け、使用部位など研究を重ねてより美味い煮込みを作っていく。
屋号は『煮込み専門店マルミヤ』だ。
屋号に使われている『マルミヤ』だが、由来は昭和三十年まで遡る。江戸時代から続いている雨宮家はその昔『郡内屋』という宿屋を営んでいた。当時の移動手段といえば馬や徒歩なので、今では車で数時間で行けるところでも数日かけて進まなければならなかった。郡内屋は甲府盆地から富士山の方に向かう旅人によく利用される宿だった。
ところが交通の手段が発達して徒歩や馬に代わるものが登場し、宿を利用する旅人が減ったことから農業に転換していくこととなる。
そして昭和三十年に桃農家の屋号を各自決める際に『雨宮』が複数いたために各家を区別するため、当家では宮を◯で囲んで『マルミヤ』と称した。
個人的な話ではあるのだが、山梨で60年以上続いた桃農家を継ぐ人間が今いない状態だ。業態は全く別物ではあるのだが、違う形でも残したいという気持ちが正直なところある。そして『◯◯◯や』は飲食店の屋号にも多く、広く親しみやすい名前だ。6月上旬のオープンに向けて今は内装工事が進んでいる。とても楽しみだ。
BAR Zolddich、煮込み専門店マルミヤをどうぞよろしくお願い致します。
ニューディレクション株式会社
代表取締役 雨宮尚人
インスタ&ツイッター
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